Vapor Trail

ひこうき雲のように生まれては消えていく思考を、ぽつりぽつりと記していくブログです。

ロックとは白昼夢である

こんにちは、Michelleです。パソコンに触れない日が続いたので、少し間が空いてしまいました。

何やら仰々しいタイトルですが、ただの独り言です。

数日前より、クラシックロックアワードなるイベントで、ジミー・ペイジジェフ・ベックが共演するという話だったのにジミー・ペイジは演奏すらしなかったということがちょっとした騒ぎになっていますが。
確かに大枚はたいて行ったのにそれじゃあ怒るファンの気持ちもわかりますよね。

私は50年代から最近のインディーズまで、幅広く洋楽ロックを愛しておりますが、昔から常々60年代にヒッピーやってたかったなと思っていました。
というのも、その時代、正にロックは希望だったと思うからです。
音楽のもとに人々が集まれば、社会を変えることができる。ロックとはそういう希望の象徴で、だからこそ若者たちは熱狂できたのかなと思うのです。


それに比べて今ロックを聴いている私は、閉塞感を感じています。イギリスの若手だとpeaceやsuperfood、slavesなんかが好きなんですけど、彼らの音楽聴くと無性に共感を覚えるんです。そういう意図を持って曲を作っているのかは知りませんが、ジャンキーというか、TVの前でポテチ食べながらゲームしてっていう絵が浮かんでくるんですよね。そういう環境で育った同世代的な。
そんな彼らの音楽にはメッセージと微かな希望と脱力感と自虐が不安定にちりばめられているような気がして、とても自分にピッタリくるんです。

そしてそんな同世代の音楽を聴いている時、私は束の間の夢を見るのです。心地よさにトリップするような。そんな音楽は私にとって暗い現実や待ち受けるどんよりとした未来を忘れられるドラッグなんですよね。
もちろん、60's大好きですよ。でも、それを私は当時の若者が聴いていたときと同じstate of mindで聴いているのではないと思うんです。どちらかというと冷めた目で、だけど強烈な羨望を持って聴いているのです。私もあの時代に、これこそ社会を変える動力源だって信じて疑わない気持ちで聴けたら素晴らしいだろうなって。

でも私の脳裏にはゲームボーイやたまごっちにはまり、ポテチ食べてる自分の子供時代と、子供時代を過ぎても大して変わりもしない自分のクズさ加減が浮かぶんです。そして、そんな社会に生きているっていうことをより実感します。

音楽の素晴しさは変わりませんが、若者にとってロックの持つ意味は変わったんじゃないか、現実を差し置いて熱狂できる束の間の白昼夢になったのではないかと考える今日この頃です。